お茶にまつわるQ&A

お客様から寄せられたお茶にまつわる様々なご質問に、当店四代目店主、角替 晃がお応えいたします。
ぜひ、お茶のことを知って一緒に「豊かなお茶の体験」を楽しみませんか。

かねも研究のご案内

三代目店主 角替茂二は家業を継ぎ仕事を始めると同時に茶の変質劣化に毎年心を痛めました。5月に摘み取られた“緑茶”が翌年春には”茶色”に変化します。当時昭和20年代、茶の貯蔵は常温倉庫に茶箱に詰め保管されていました。茶は何故変質するのか、研究を始めました。
 研究施設に資料を求め、低温貯蔵が鮮度保持に有効であることを確認しました。先ず低温貯蔵庫を建造しました。当時は断熱材も十分開発されておらず、断熱材には”おがくず”を利用しました。5月に新茶をこの貯蔵庫に収納し、翌春取り出し観察すると”緑茶”は茶色に変色せず緑色を保持しました。これが昭和30年代初めです。
 次に、茶の酸化(変化)について研究をしました。茶の変質は酸化による、空気中の酸素を遮断すれば茶の変質は防げると考えました。缶詰め食品を念頭に、茶をアルミ缶に詰め中の空気(酸素)を除去し、空気に替え不活性ガス窒素を充填することを考え付きました。これは画期的な着想でした。缶詰めした茶を5月冷蔵貯蔵し、1年貯蔵しました。翌春開缶すると何の変化、変質もなく、前年5月に詰めた茶のままでした。2年、3年貯蔵も実験しました。1年目と同様、新鮮な”新茶”が味わえました。良年の優良茶園の茶は生産直後に火入れ加工するよりも、1年から3年おき熟成を経て仕上げすると旨味が増すと考察されます。茶業界では革新的な研究です。

日本茶にはどんな種類があるのでしょうか

先ず、皆さんが良くご存じの煎茶があります。
18世紀、宇治田原で永谷三之亟が煎茶の優品を作り普及の足掛かりになりました。江戸時代中期、両替商など商人が経済の中心になるとともに、堅苦しい茶道から自由闊達な煎茶が盛んになりました。又19世紀になると抹茶の原料になる碾茶の優品が製造され、玉露の製法を山本嘉平が発明しました。江戸中期になると経済活動が活発になるとともに、調理技術も進化し、和食が完成されました。
食文化が深まるとともに、裕福な商人階級に茶が親しまれるようになりました。
玉露、碾茶は茶園に覆いをかけ遮光して製造します。遮光により茶に旨味、甘みの成分が露地よりも豊富に形成されます。
玉露は被覆した茶葉を煎茶と同様に蒸気をかけ蒸し、揉み行程を経て製茶します。碾茶は蒸した後、揉み工程を経ないで、風で茶葉を吹き上げ乾燥させます。茶葉は軽く、石臼で引き易くなります。これが抹茶になります。ご存じのように煎茶、玉露は急須にいれ、湯を注ぎ浸出液を味わいます。これに対し抹茶は茶椀に入れ、茶栓で点て味わいます。急須で淹れても滲出液は得られません。揉み工程を経ていないからです。茶葉に蒸気をかけ蒸し工程を経て製造される煎茶、玉露、碾茶とは別に茶葉を直接窯に入れ製造する釜炒り茶があります。
尚、日常生活においてよく目にするのは“焙じ茶”、“玄米茶“、”番茶“があります。何れも煎茶を応用しています。焙じ茶は茶葉、棒茶を焙じて引用します。香ばしく、油料理のあとなど飲用すると口中がさっぱりします。玄米茶は煎茶に玄米を加え(概ね30%程度)飲用します。柔らかい味になります。番茶は大きくなった葉を製茶した茶で、茶葉エキスは薄く、香味は軽くなります。カフェイン含有量も少なく、夕食後飲用しても睡眠の妨げにはならないと思います。

お茶にはどんな栄養素、ビタミン類があるのでしょうか

緑茶にビタミンCが豊富に含まれていることは良く知られています。
ビタミンCは野菜、果物、茶に含まれていますが、一般に熱、アルカリに弱いことも知られています。
緑茶の滲出液中のビタミンCは比較的分解しにくいことが知られています。
それは茶浸出液中にあるカテキン類がビタミンCを安定させる働きをするからです。
従って熱湯で茶を淹れてもビタミンCを失うことなく、摂取することが可能なのです。
ビタミンA(カロチン)、ビタミンE(老化を防ぐ)、鉄分なども豊富に含まれていますが、これらのビタミン類は水溶性ではありません。脂溶性と言われていますが、最も簡単に摂取するのは茶葉そのものを食べることです。
茶葉ティースプーン2匙(5g)で、植物性繊維は1日必要量の40%が摂れる。
茶殻を油で炒め食し、茶のパウダーを料理に加え調理すると良いでしょう。
お茶は非常に優れた栄養補給食品です。

お茶はどうしたら美味しく呑めるの?

茶を美味しく淹れるのには湯冷ましをすると良いでしょう。
茶には微粒栄養素(ビタミン類)の他、コーヒーなどに含まれるカフェイン、カテキン類があります。
カフェインには覚醒作用(眠気を覚ます)があります。苦み、これは90℃以上の温度で滲出します。
熱湯で茶を淹れるとカフェインが滲出し、苦みを感じます。
カテキン類には2種類あります。一種はガレート状(エステル型)、型が定まって他の因子とは結合しません。苦み、渋みがあります。病気に薬用効果がると考えられます。80℃以上で滲出します。後1種類は、遊離性カテキンです。これは低い湯温、水でも滲出します。苦みがあります。病気になる因子と結合し、免疫力を高める効果があることが最近の研究で明らかになりました。
カテキン類の苦渋身はカフェイン程強くは知覚されないと思います。
湯冷まし後80℃以下の湯で淹れると、テアニン、グルタミン酸、アルギニン等茶の旨味の成分が滲出します。従って、湯温を80℃以下にすると茶の旨味の成分を味わうことが出来ます。
また、ぬるい湯、水、冷水、氷でも茶は滲出しますが、湯と異なり時間がかかります。茶葉をボトルに入れ、水を加え、夕食後に冷蔵庫に入れておくと翌朝美味しく呑むことが出来ます。
特に夏場には美味しく感じます。

日本の緑茶、中国茶、紅茶の違いは何ですか?

茶樹は永年性常緑樹で亜熱帯地方に分布し、植物学ではツバキ科カメリア属に分類されます。茶のルーツは中国雲南省西南部あたりと考えらえます。
【紅茶】アッサム種(大葉種)
インド、スリランカは高温多湿。茶摘み後、時間の経過とともに茶葉は自然に酸化、褐変します。茶褐色 → 焦げ茶色。英語ではblack tea と呼ばれています。
明治時代ドイツ人の学者が茶葉の“酸化”を“醗酵”と考えました。現在でも時折醗酵茶と記される記述を見かけますが、実際は酸化です。
ダージリンは高地(3000m位)にあります。アッサム種は生育に適さず、小葉種が栽培さています。
【中国茶】中国種(小葉種) 地方により種々製造方法があります。
一般に萎凋(萎れる)を数時間します。水分がとびます。50%~60%位萎凋後、製茶をします。茶葉の色が薄茶色~濃い茶色まで種々あります。上記と同じく、これを半醗酵茶と記す記述を見かけますが、実際は茶葉の“酸化“です。
【緑茶】中国茶と同じ小葉種です。中国茶、紅茶と大きな相違は製造工程にあります。日本緑茶は茶摘み後、酸化を防ぐため茶工場の冷風コンテナに茶葉を運び入一時貯蔵します。その後、酸化酵素の働きを止めるため茶葉に蒸気をかけ、茶を揉み製造、乾燥します。従って、製茶後も茶は葉緑素を保つ生葉と同じ緑色を保ち、同時にビタミン類(微粒栄養素)を滅失することなく生葉と同じ状態に保持します。緑茶の豊富なビタミンC についてはよくご存じと思います。ところが酸化により紅茶はビタミンC全てを滅失し、中国茶も70~80%失っています。緑茶は栄養学から見て進化した茶の製造方法と考えられます。

妊娠中や子どもでも飲めるカフェインが少ないお茶はありますか?

苦味成分である「カフェイン」は、温度90度以上の熱湯で浸出します。カフェインが気になる方は、少しぬるめの湯で入れることをおすすめします。当店には、「こども番茶」もございますので一度お試しください。
お茶は、温度によって浸出される成分や味が変化します。例えば、渋みの成分の「カテキン」は80度以上で浸出します。お茶の旨味成分「テアニン」やお茶固有の「アミノ酸」は80度以下で程よく味わうことができます。飲まれる方や飲むシーン、時間帯によって、温度を変えて楽しんでみましょう。
また「ほうじ茶」もおすすめです。ほうじ茶とは、その名のとおり茶葉を焙じた(炒った)お茶のこと。番茶(新茶の後に摘み取られるお茶)や煎茶、茎茶などを強火で炒ることで出る独特の香りと味わいが特長で、カフェインや苦み・渋みが少なくなるため、妊娠中やお子様でも安心して召し上がっていただくことができます。当店ではご自宅で簡単にほうじ茶を作ることができる茶器もご用意しております。お子様と一緒に作ってみるのも楽しいですよ。